◆◇◆━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━◆◇◆ 》》企業年金総合プランナー(DCプランナー)メールマガジン《《 第342号(2017.2.15) 日本商工会議所 商工会議所年金教育センター ◆━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━◆ 〉〉〉CONTENTS〈〈〈 ─────────────────────────────────── 【連載記事】 1〉「信託の基本と使い方を学ぼう」 全4回 第1回 老後の生活を守るため ─────────────────────────────────── 【勉強会の開催情報】 2〉大阪で開催する勉強会のご案内 「いまさら人には聞けない!? 退職給付会計「超」入門」 ─────────────────────────────────── 3〉大阪で開催する勉強会のご案内 「第10回 ホンネで語り合う企業年金事情」 (再掲) ─────────────────────────────────── 【日本商工会議所からのお知らせ】 4〉DCプランナー資格登録者の住所変更等手続きについて ─────────────────────────────────── このメールマガジンは、企業年金総合プランナー(DCプランナー)認定試 験に合格し、1級または2級の資格を登録された方々に対する情報提供サービ スの一環として、原則、毎月2回(1日および15日)送信しています。 ◆◇───────────────────────────────◇◆ ■━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━… 1〉「信託の基本と使い方を学ぼう」 全4回 第1回 老後の生活を守るため 菅野 真美 ─────────────────────────────────── <少子高齢化社会の悩みは> 平均寿命が男女とも80歳を超える時代となりましたが、健康寿命は平均寿命 より短く、自分たちの生活を自分たちの力で賄えない期間が10年以上あるとい われています。このような期間において、最後まで自分らしく生きることがで きるかどうか不安な人が多くいらっしゃいます。この期間の生活を支えるため に介護制度があり、また、自分自身が認知症等により意思決定ができない状況 になった場合のサポートとして成年後見人制度があります。 成年後見人制度は、2000年にスタートしてから徐々に浸透しています。 しかし、制度には長所もあれば欠点もあります。痒いところに手が届くよう な老後の生活のサポートの一つとして信託を利用したい資産管理や承継が最近、 専門家の間で注目されています。 <信託とは> 信託とは、ある人(委託者)が有する財産を他の人(受託者)に委ねて、 運用等してもらい、その利益をある人(受益者)のために分配してもらうため の仕組みです。 この信託の基本的な特徴としては、以下の機能があります。 〇財産管理機能・・自分以外の人に財産を管理運用してもらうことにより、 自分が死んでも運用でき、また自分以上に優れた人に運用 してもらうことにより利益を出すことができる 〇転換機能・・・・財産を受益権という権利に転換させることにより、受益者 に渡す利益の範囲を調整することができる 〇倒産機能・・・・委託者や受託者が倒産しても、彼らの債権者は信託財産を 差し押さえることが原則的にはできない このような機能があることから、会社から預かった資金を長期間に渡って安 定運用し、従業員等の年金に渡すための器として、厚生年金基金等は信託を利 用しています。 信託の受託者は信託銀行に限りません。個人も受託者になれますが、営利目 的で受託者となる場合は、信託業の免許が必要となります。 <不動産賃貸業オーナーの老後の不安> 甲さんは、長年賃貸業を営んでいましたが、最近、物忘れがひどくなり、 このまま賃貸業を営むのが不安になっています。将来は、息子の乙さんに引き 継がせたいと考えています。特に不安なのは長年利用した賃貸不動産の老朽化 のために大規模修繕をしたいのですが、手元資金では足りず、借入を行う必要 が生じます。しかし、認知症等を発症し意思決定が難しくなった場合、甲さん は借り入れができず、成年後見人の申し立てが必要となりますが、成年後見人 が選任されると、借入のようなリスクのある行為は成年被後見人の財産を毀損 するリスクがあることから家庭裁判所が認めないリスクもあり、どうすればい いか不安となっています。 <信託を使った解決策> このような場合、甲さんが信託契約を理解できる時点で、乙さんを受託者、 甲さんを委託者兼受益者、賃貸用不動産を信託財産として信託を設定します。 賃貸用不動産の所有権は乙さんに移りますが、あくまでも信託財産であり、 乙さんは自由に利用できません。乙さんは運用し、利益は甲さんに支払います。 借入を行う場合は、金融機関は賃貸用不動産の所有者である乙さんと契約を締 結することから、甲さんの意思能力は関係ありません。そして、借入資金で大 規模修繕をします。甲さんに相続が発生した時点で信託は終了し、賃貸用不動 産は乙さんの固有の財産となります。 信託した場合、所有権は受託者乙さんに移りますが、所得税や相続税を考え る場合は、受益者である甲さんが所有して利益を受けるものとみなして税金を 計算します。 ですから、相続の時は甲さんの相続財産として賃貸用不動産を評価し、借入 がある場合は、相続財産から控除することができます。また、乙さんが申告期 限まで不動産を所有し、賃貸業を続けて行っている場合、敷地のうち200㎡まで は、相続税評価額の50%の評価減をすることができます。つまり、自分で相続 時まで賃貸用不動産を持ち続けている場合と同様として相続税の節税メリット を受けることができます。 注意してほしいことは、大規模修繕が生じた年については、多額の修繕費が 生ずることから不動産所得が赤字になりますが、この赤字を損益通算し将来に 繰越すことはできません。その分所得税の節税メリットはないことになります。 ※執筆者紹介 菅野 真美 税理士・社会福祉士・CFP(R) ■━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━… 2〉大阪で開催する勉強会のご案内 「いまさら人には聞けない!? 退職給付会計「超」入門」 ─────────────────────────────────── 下記のとおり大阪で勉強会を開催いたします。 ◆内 容 「なぜいちいち割引計算するんだ?」 「勤務費用って掛金のことじゃないの?」 「企業年金をやると債務が増えるの?」 年金財政よりも更に難解でとっつき難いとされている退職給付会計ですが、 基本原則さえ踏まえれば、決して理解できないものではありません。 今回の勉強会では、DCプランナーならば最低限押さえておきたい退職給付 会計のしくみを、初級者の視点に立ってイロハのイから紐解いて解説いたしま す。バリバリの専門家の方にとっては物足りない内容ですが、企業年金の実務 担当者の知識整理にお役立ていただければ幸いです。 主な構成(予定) ・退職給付会計はややこしさの極み (会計のややこしさ+年金財政のややこしさ) ・退職一時金のみの場合で考える ・実は企業年金の方が低負担!? ◆日 時:3月17日(金)18:30~20:30 (受付開始18:00) ◆会 費:3,500円(お支払方法は、お申込み完了後にお知らせいたします) ◆講 師:谷内 陽一(たにうち よういち)氏 りそな銀行 りそな年金研究所 担当マネージャー 1級DCプランナー(企業年金総合プランナー) 証券アナリスト(CMA(R)) MBA(経営管理修士 (専門職)) ◆会 場:大阪府立男女共同参画・青少年センター(ドーンセンター) 4階 中会議室2 大阪府大阪市中央区大手前1丁目3番49号 【アクセス】 http://www.dawncenter.jp/top/index.jsp ◆定 員:30名(先着順) ◆幹 事:みなとグローバル研究会 大阪大手門勉強会 ◆申込先:参加を希望される場合は、下記のURLからお申込みください。 http://benkyou-j.com/study/detail.php?sid=204 ■━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━… 3〉大阪で開催する勉強会のご案内 「第10回 ホンネで語り合う企業年金事情」 (再掲) ─────────────────────────────────── 下記のとおり大阪で勉強会を開催いたします。 厚生年金基金、確定給付企業年金、確定拠出年金等、各企業年金の動向や現 場の動き、実際の改革事例、退職給付会計の動向、基金やDBの資産運用動向、 DC投資教育の動向、諸外国の年金動向など幅広い内容をもとに、年金基金の 担当の方、企業の人事・労務担当の方、財務部門の方、事業主の方、運用機関 の方、コンサルタント等、それぞれの立場から自由に意見を語り合える場にも してまいります。企業年金にご関心のある方のご参加をお待ちしております。 この1月から個人型DC、いわゆるiDeCoとリスク分担型DBが始動し ました。企業や個人がこの新しい制度をどのくらい活用するか気になるところ で、既存の制度を含めて、これらの活用状況を整理し、ご紹介したいと思いま す。導入して見えてくる課題や、新たなメリットを共有していきましょう。 また、今後予定されている改正もあり、これらの解説や問題となるところも ご紹介いたします。 ◆日 時:3月25日(土)18:00~20:00 (受付開始17:45) ◆会 費:3,500円(お支払方法は、お申込み完了後にお知らせいたします) ◆講 師:登録講師 1級DCプランナー(企業年金総合プランナー) ◆会 場:大阪府立男女共同参画・青少年センター(ドーンセンター) 大阪府大阪市中央区大手前1丁目3番49号 【アクセス】 http://www.dawncenter.jp/shisetsu/map.html ◆定 員:20名 ◆幹 事:みなとグローバル研究会 大阪大手門勉強会 ◆申込先:参加を希望される場合は、下記のURLからお申込みください。 http://benkyou-j.com/study/detail.php?sid=203 ■━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━… 【日本商工会議所からのお知らせ】 4〉DCプランナー資格登録者の住所変更等手続きについて ─────────────────────────────────── DCプランナー資格登録者で、住所や勤務先、メールアドレス等を変更した 場合は、お手数ではございますが以下のいずれかのサイトから登録情報の変更 をご連絡ください。ご連絡をいただかないと、情報誌や資格更新に関する案内 文書の送付、メールマガジンの配信等ができなくなりますのでご注意ください。 〇『DCプランナー専用サイト』基本メニュー内 登録情報変更(住所変更な ど)のコーナー(https://dcplanner.cloud-cafe.biz) ※ 1級および2級DCプランナーとして資格をご登録いただいている方の 専用サイトです。 同サイトのご利用に当たっては、最初に別途メールアドレス等をご登録 いただく必要があります。 ※ ご連絡の際は、ご登録の情報を修正後「資格登録情報も合わせて変更す る」ボタンをクリックしてください。 〇『商工会議所検定試験サイト』DCプランナー 登録情報変更連絡コーナー (http://www.kentei.ne.jp/dcp/contact) ※ 『DCプランナー専用サイト』に未登録の方は、こちらからご連絡くだ さい。 ◆◆━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━◆◆ 次号(第343号)は、3月1日(水)に送信予定です。 ─────────────────────────────────── 【企業年金総合プランナー(DCプランナー)メールマガジン】 編集・発行:日本商工会議所 商工会議所年金教育センター ─────────────────────────────────── このメールマガジンの内容に関するご意見・ご感想は、編集部までお寄せ ください。 E-Mail:nenkin@jcci.or.jp ─────────────────────────────────── 《禁・無断転載》 このメールマガジンの著作権は、上記の発行者に帰属します。 ───────────────────────────────────