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》》企業年金総合プランナー(DCプランナー)メールマガジン《《
第291号(2015.1.5)
商工会議所年金教育センター
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〉〉〉CONTENTS〈〈〈
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【企業年金あれこれ】
1〉「社会保障審議会での議論から」(全3回)
第3回 ライフコースの多様化への対応に向けて
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【勉強会の開催情報】
2〉東京で開催する勉強会の参加者を募集しています。
今さら人には聞けない!? 年金財政運営『超』入門
~ 財政運営の理論(理想)と実践(現実) ~
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3〉東京で開催する勉強会の参加者を募集しています。
「DCプランナー1級受験対策講座」【再掲】
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【各種のデータ】
4〉確定拠出年金の施行状況(平成26年11月30日現在)~厚生労働省調べ
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【日本商工会議所からのお知らせ】
5〉商工会議所年金教育センターのホームページ閉鎖のご案内
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6〉DCプランナー資格登録者の住所変更等手続きについて
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このメールマガジンは、企業年金総合プランナー(DCプランナー)認定試
験に合格し、1級または2級の資格を登録された方々に対する情報提供サービ
スの一環として、原則、毎月2回(1日および15日)送信しています。
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新年あけましておめでとうございます。
みなさまにとって新しい年が良い年となりますように祈念申し上げます。
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1〉「社会保障審議会での議論から」(全3回)
第3回 ライフコースの多様化への対応に向けて
1級DCプランナー(企業年金総合プランナー)佐藤 政洋
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今回は、国民の老後生活における現状と個人の自助努力について、社会保障
審議会(以下、審議会)で議論されている内容を取りあげます。
平成26年10月14日、31日の審議会において、公的年金制度を補完する企業年
金と、企業年金に加入できない者を含む個人の自助努力の課題について、主に
以下の観点で取りあげられています。
・国民の老後所得については、公的年金における給付水準の中長期的な調整が
見込まれる中で、企業年金に加入できない者等については、個人の自助努力
を支援する仕組みの整備が必要
・個人型確定拠出年金(以下、個人型DC)については、第3号被保険者、企業
年金・公務員共済等加入者が加入できず、個人のライフコースの中で自助努
力できない期間ができてしまうこと、加入範囲が限られているがゆえに離転
職時の資産移換時に必要以上にコストがかかること
・企業型確定拠出年金(以下、企業型DC)のマッチング拠出については、実施
の可否を事業主が決めるため、個人が拠出したくてもできないことや、拠出
にかかる規制があること
国民の老後所得については、平成16年の年金改正の財政フレームワークによ
り中長期的に調整が図られ、所得代替率が現状に比べて低下していく見込みで
す。企業年金は「公的年金の給付と相まって、国民の生活の安定と福祉の向上
に寄与する」ことを目的としていることから、その重要性はますます高まって
いくと思われます。
しかしながら、現状では全ての方が企業年金で積み立てられる状況にはあり
ません。例えば、企業型DCで積み立てていた方が転職し、個人型DCを利用
しようとしても、公務員へ転職するケースや、または結婚して第3号被保険者
になるケースでは、制度上の制限から積立てを続けていくことができなくなり
ます。
また、個人のライフスタイルは近年多様化しており、人生の中で複数の会社
を経験する者が増加しています。今回の審議会の資料の中でも、転職・離職経
験者が増加傾向にあり、一方、平均勤続年数が短期化傾向にあることから、そ
ういった状況が読み取れます。転職や離職をすることによって、加入できる企
業年金制度が限られるため、結果として老後資金とせずに資産をその時点で使
ってしまうことも多いと思います。個人の選択如何で、老後所得の積立が不十
分となりうるという状況は、不公平があるともいえるので、公的年金とともに
企業年金や個人の自助努力による老後所得の確保がしっかりできるように、現
状の制度について、改善が求められている状況にあるといえます。
様々な論点について議論が進められていますが、その中で、「個人型DCの
加入対象範囲の拡大」について掘りさげていきたいと思います。
個人型DCは、現在は以下の場合には加入者となることができないため、新
たな掛金が拠出できず、適切な老後の所得確保が図れない可能性があります。
個人型DCの運用指図者となり、資産の運用のみを行うことはできても、自ら
続けて積み立てることができません。
(1)国民年金第3号被保険者となる場合
(2)転職先の企業に確定給付企業年金(以下、DB)、厚生年金基金がある場合
(3)公務員になる場合
また、企業型DC制度では、加入者が自ら老後資金を積み立てることができ
る「マッチング拠出」が可能となっていますが、事業主が了解をしない場合は
従業員はマッチング拠出を始めることができません。DB等の場合も、加入者
負担の掛金を拠出する仕組みはありますが、同様に事業主の了解が必要で、自
分の意思のみでは企業年金の枠組みで積み立てることはできません。つまり、
転職した企業によって、自ら積み立てられる選択肢が限られるということで、
結局十分な老後資金の積立ができない場合もある、という状況といえます。
そこで個人型DCの対象者を国民年金第3号被保険者や公務員も含めた全国
民に拡大する改善案が論議されています。要するに、個人型DCは、「転職や
ライフスタイルが変わろうとも、自らの意思で老後所得を積み立てられる専用
口座」へと改善するイメージであろうかと思います。
これにより、転職した際に老後資金として明確な部分は、個人型DCに集約
することが可能となります。またライフスタイルの多様化に対応できるため、
どなたでも老後所得の確保に向けた積立の継続が可能となります。これまで積
み立てた資金を制度間で移換する際に、移換のための資産売却や手続きのコス
ト等、必要以上のコストがかかっていた部分がありますが、個人型DCを専用
口座として常に持っていることができれば、余分なコストを抑えて、老後所得
の確保にも貢献すると考えられます。
この審議会の中でも、米国のIRA制度のような専用の退職所得口座を要望
する意見も提出されています。こういった制度普及を考えていくためには、多
くの金融機関等制度の推進者が必要となります。個人型DCであれば、現状す
でに生命保険会社、信託銀行のみならず銀行、証券会社、損害保険会社など多
くの金融機関で取り扱っており、運営のためのシステムが構築済みです。ゼロ
から何らかの退職所得口座の仕組みを構築することに比べれば、少ない費用で
多くのプレーヤーが制度推進に参加することができると思われます。
また、現在の個人型は、企業年金を実施していない加入者かどうかを確認す
るために、国民年金基金連合会が、事業所での他の企業年金制度の確認を毎年
実施しており、事業主側・加入者に大きな負担が生じています。これも個人型
DC普及の阻害要因となっていましたが、個人型DCの加入対象者を拡大し、
加入している企業年金制度を確認する必要がなくなれば、加入者の負担も減り
ますので、制度普及に対して大きなプラスになろうかと思われます。
一方で併せて以下の課題も論議されています。
・拠出限度額について、より分かりやすい仕組みとする観点から、すべての加
入者に共通した考え方で設定してはどうか
・自営業者等は所得の得られる時期が不規則なこと等を踏まえれば、拠出限度
額の管理単位は、年単位とすることが、定期的に掛金を拠出するという観点
から合理的ではないか
・マッチング拠出について、個人型DCを加入対象者拡大が実現する場合、重
複することとなるため、個人型DCとの関係を整理すべきではないか。
審議会の議論は非常に重要で、ぜひ皆さんも積極的にトレースされることを
お勧めします。公的年金や社会情勢等を踏まえると、DB、DC等の企業年金
制度について、より踏み込んだ改善が待ったなしの状況であると思います。制
度に携わる方々が、良い制度改善に向けて、力を合わせて前向きに進めていけ
るよう期待しております。
*執筆者紹介
佐藤 政洋
日本証券アナリスト協会検定会員
日本アクチュアリー会準会員
1級DCプランナー(企業年金総合プランナー)
アクチュアリー受験研究会代表(http://pre-actuaries.com/)
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2〉東京で開催する勉強会の参加者を募集しています。
今さら人には聞けない!? 年金財政運営『超』入門
~ 財政運営の理論(理想)と実践(現実) ~
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◆内 容
「数理債務と責任準備金の違いは?」
「年金制度の『成熟化』って、良いことなの?悪いことなの?」
「収入・支出を『将来にわたって』見込むと、際限なく増えるのでは?」
「継続基準と非継続基準の違いは?」
昨年7月に実施して好評を博した「今さら人には聞けない!?」シリーズが
装いも新たにパワーアップ!
第2弾では、企業年金の財政運営をテーマに、DCプランナーならば最低限
押さえておきたい年金財政運営のイロハを、初級者の視点に立って丁寧に解説
いたします。
企業年金の実務担当者の知識整理にはもちろん、DCプランナー試験対策(A
・C分野)としても有用です。
<主な構成(予定)>
・年金財政・年金数理の簡単なおさらい
・企業年金の財政運営【理論編1】~収支相等の原則と「成熟化」
・企業年金の財政運営【理論編2】~過去勤務債務(先発債務)とは
・企業年金の財政運営【実践編】~後発債務と財政再計算・財政検証
◆日 時:2015年1月22日(木)18:30~20:30(受付18:00~)
◆会 費:3,500円(会場にて申し受けます)
◆講 師:谷内 陽一(たにうち よういち)
りそな銀行 信託ビジネス部 りそな企業年金研究所 担当マネージャー
1級DCプランナー、証券アナリスト(CMA(R))
MBA(経営管理修士(専門職))
◆会 場:港区虎ノ門
◆定 員:40名(先着順)
◆幹 事:企業実務研究会 企業年金部会
◆申込先:参加を希望される場合は、下記のURLからお願いします。
http://www.benkyou-j.com/study/detail.php?sid=182
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3〉東京で開催する勉強会の参加者を募集しています。
「DCプランナー1級受験対策講座」【再掲】
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11月15日付のメルマガでご案内しましたように東京で勉強会を開催します。
定員にまだ余裕がありますので、参加を希望される方は、お早めにお申し込
みください。
1月25日に実施されるDCプランナー1級試験に向けて、受験対策講座を全
2回で実施します。1級試験は2級にくらべ出題範囲も広く、かなり深い知識
が問われます。そこで、分野ごとに過去に出題された問題傾向を考慮し、ミニ
テストを行い、解答解説をしてまいります。
直前の知識確認、総仕上げとしてご利用いただけます。質問もしやすいよう
少人数での開講です。受験を予定されている方は、ぜひご参加ください。
講師は、企業年金実務の場において第一線で活躍されている松村正明先生です。
※お申し込みが6名に満たない場合は、開催を見送らせていただく場合がござい
ます。あらかじめご了承いただきますようお願い申し上げます。
◆日 時:第1回 12月20日(土)10:00~17:00 ← 終了しました
第2回 1月10日(土)10:00~17:00
◆会 場:東京都港区虎ノ門3丁目6-2 第2秋山ビル
お申し込みは、下記のURLからお願いします。
第2回 http://benkyou-j.com/study/detail.php?sid=178
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4〉確定拠出年金の施行状況(平成26年11月30日現在)~厚生労働省調べ
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厚生労働省のHPに掲載されている「確定拠出年金の施行状況」の直近の
データについて、その内容を以下にご紹介します。
アドレスは、こちらです。
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/nenkin/nenkin/kyoshutsu/sekou.html
(1)承認規約数 4,520件
(2)加入者数 約5,071千人(平成26年10月末 速報値)
(3)実施事業主数 19,124社
◆個人型年金の加入者等(平成26年10月末現在)
(1)第1号加入者 60,574人
(2)第2号加入者 140,522人
(3)合 計 201,096人(資格喪失者を除く)
(4)事業所登録 124,007事業所
◆登録運営管理機関 196社
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【日本商工会議所からのお知らせ】
5〉商工会議所年金教育センターのホームページ閉鎖のご案内
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皆様にご利用いただいてきました、商工会議所年金教育センターのホーム
ページにつきましては、平成26年12月末を持って閉鎖いたしました。
なお、本メールマガジンのバックナンバー、1級試験対策の答案練習シリー
ズ、企業年金に関する勉強会情報等につきましては、日本商工会議所の検定
ホームページ内(DCプランナーコーナー)に順次移行予定ですが、移行終了
までの期間、閲覧が出来なくなりますのでご了承ください。
詳細につきましては、決まり次第、改めて本メールマガジン等でご案内いた
します。
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6〉DCプランナー資格登録者の住所変更等手続きについて
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DCプランナー資格登録者で、住所や勤務先、メールアドレス等を変更した
場合は、お手数ではございますが以下の連絡先まで、メールかFAXにて、
ご連絡いただきますようお願いいたします。
なお、FAXにてご連絡いただく場合は、併せて受信確認の電話をお願い
いたします。
変更のご連絡がない場合、メールマガジンや会報、資格更新のご案内など
に関する連絡文書等が届かなくなりますので、必ず手続きをお願いいたしま
す。
※このメールは送信専用のメールアドレスから配信されています。
住所変更等のご連絡につきましては、必ず以下の連絡先にお願いいたし
ます。
≪手続き・ご連絡先:検定支援センター≫
E-Mail:kentei@msa.biglobe.ne.jp
FAX:03-3402-7966
TEL:03-3402-2109
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次号(第292号)は、1月15日(木)に送信予定です。
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【企業年金総合プランナー(DCプランナー)メールマガジン】
編集・発行:日本商工会議所 商工会議所年金教育センター
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このメールマガジンの内容に関するご意見・ご感想は、編集部までお寄せく
ださい。
E-Mail:nenkin@jcci.or.jp
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《禁・無断転載》
このメールマガジンの著作権は、上記の発行者に帰属します。
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