◆◇◆━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━◆◇◆ 》》企業年金総合プランナー(DCプランナー)メールマガジン《《 第311号(2015.11.1) 日本商工会議所 商工会議所年金教育センター ◆━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━◆ 〉〉〉CONTENTS〈〈〈 ─────────────────────────────────── 【企業年金あれこれ】 1〉「企業年金資産のアクティブ運用」(全3回) 第3回「投資手法の立ち位置の整理: アクティブ、パッシブとスマート・ベータ」 ─────────────────────────────────── 【勉強会の開催情報】 2〉東京で開催する勉強会のご案内 「社会保障審議会企業年金部会の議論から -リスク分担型DBと集団運用型DC-」(再掲) ─────────────────────────────────── 3〉東京で開催する勉強会のご案内 <DCプランナー1級試験重点対策講座> 全分野のポイント整理と「退職給付会計」「投資分野」の重点対策 (再掲) ─────────────────────────────────── 4〉大阪で開催する勉強会のご案内 【大阪開催】2015年度「DCプランナー1級受検対策講座」(再掲) ─────────────────────────────────── 【各種のデータ】 5〉確定拠出年金の施行状況(平成27年9月30日現在)~厚生労働省調べ ─────────────────────────────────── 【日本商工会議所からのお知らせ】 6〉DCプランナー資格登録者の住所変更等手続きについて ─────────────────────────────────── このメールマガジンは、企業年金総合プランナー(DCプランナー)認定試 験に合格し、1級または2級の資格を登録された方々に対する情報提供サービ スの一環として、原則、毎月2回(1日および15日)送信しています。 ◆◇───────────────────────────────◇◆ ■━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━… 1〉「企業年金資産のアクティブ運用」(全3回) 第3回「投資手法の立ち位置の整理: アクティブ、パッシブとスマート・ベータ」 大輪 秋彦 ─────────────────────────────────── 最終回である今回は、アクティブ運用とパッシブ運用に、最近耳にすること の多いスマート・ベータ運用・戦略(以下、「スマート・ベータ」)を加え、 ポートフォリオ・リターンの構成要素の分解により、投資手法(考え方)の役 割分担の整理を行います。その前に、少しおさらいをしておきたいと思います。 1.ポートフォリオ構築の基本要素 先ずは、全てのポートフォリオ構築(インデックスも然り)に共通する基本 要素は、(1) ユニバース:どこから証券を選ぶか、(2) ウエイティング:選ん だ証券をどのように組合せるか、の2つだということです。 従って、インデックスを含む全てのポートフォリオの特性(例:「最もボラ ティリティの低い」)は、この2つの組合せで作り込みが可能となります。 2.スマート・ベータとは? 次は、スマート・ベータとはどういうものかです。以下に特徴を簡単にスケ ッチします。 (1) シャープのフレームワーク(前号紹介)では、明らかにアクティブに分類さ れ、パッシブに対して何らかの優位性・効率性を目指すものである。 (2) つまり、何らかのリスク、リターンの源泉を選択して(狙って)の投資手 法となる。 (3) 他のアクティブ一般(以下、「アクティブ」)との最大の違いは、事前公表 の明確なルールに基づき投資されることである(ルール・ドリブンで1. (1)と(2)の組合せが明白)。 (4) 従って、透明かつ狙いが明白・簡明というパッシブの特徴を持つため、運 用者以外(例えば、委託者・評価者)にも理解しやすい。 (5) 何を狙うかは、アクティブ同様に時間をかけ検討する必要があるが、誰に 委託するかの検討時間は、アクティブに比べ少なくて済む。 (6) 運用手法の違い(後述)からアクティブに比べ、運用キャパシティーは大 きく、運用コストは低く、なることが期待できる。 3.ポートフォリオ・リターンの構成要素分解 さて、周知のとおり、一般的にポートフォリオのリターン(無リスク資産に 対する超過リターン)は、パッシブ・リターン要素とアクティブ・リターン要 素から成ると考えられています。 この領域がハッキリしていた従来のアクティブとパッシブとの間に、突然出 現したかのようなスマート・ベータのため、「アクティブとパッシブの境界線 がボヤケタ」というように感じている方も多いのではないでしょうか。 しかしながらこの「モヤモヤ」は、次図のようにアクティブ・リターンの分 解を拡張・再整理(注1)することで「スッキリ」します。この整理はシャープ のフレームワークとも整合的で、スマート・ベータのリターンがアクティブに ルーツを持つことを認識でき、自然で、合点がいくのではないでしょうか。 ○ Kahn and Lemmon の拡張リターン分解 はこちら http://www.jcci.or.jp/11.01_dcp.png 注1 : Kahn,R.,and M.Lemmon.“Smart Beta : The Owner s Manual,” The Journal of Portfolio Management, Vol.41, No.2 (Winter 2015), PP. 76-83. 4. 投資手法の役割分担の持つ意味 3.の区分けは、スマート・ベータの範疇を規定すると共に、スマート・ ベータ切り出し後の、これからのアクティブ本来への役割期待をも明確に示し ています。投資手法をリンゴ収穫の仕方に例えるなら、(1) アクティブの役割 は、「すごく美味しそうなリンゴ」(アルファ)を狙うことになり、(2) 「美 味しそうなリンゴ」(アルファ)は、スマート・ベータで狙うということです。 (3) パッシブの役割は、どれが「平均以上に美味しいリンゴなのかは知り得な い」、「いつも分かるとは限らない」、と考えて「(すごく)美味しそうなリンゴ」 (アルファ)を探すことに手間暇(コスト)かけず、リンゴ「全部」(事後的に は、様々な味のリンゴがあって、平均となります)を狙う作戦です。 この役割分担は、アクティブへ好意的な「投資信念」を持つ年金ファンドの 担当者にとっては朗報です。 従来アクティブとされた、リターンを説明する重要な要素(ファクター、 例:高バリュー、低ベータ等々)に静態的にベットする手法は、今やスマート・ ベータにより透明・安価・確実に入手できるので、限られた時間・労力を今以 上に「純粋なアルファ・リターン」に傾注できます。従って、この新しい役割 分担の考えは、アクティブに本来の役割を割り当てることと相まって、全ポー トフォリオにおけるリスク削減・リターン増加を、コスト控除後で期待できる ことにつながります。 3回にわたるお付き合い、ありがとうございました。 なお、当小論中の意見にかかわる部分、および有り得べき誤りは、筆者個人 に帰属するものであることを、予めお断りします。 * 執筆者紹介 大輪 秋彦 事業会社にて財務、計画、リース部門の業務を経験。特に、企業年金資産の 運用・管理に長年携わる。 事業会社を退職後現在は、早稲田大学大学院ファイナンス学科 非常勤講師、 三菱UFJ信託銀行年金業務顧問を務める。 日本ファイナンス学会会員。 ■━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━… 2〉東京で開催する勉強会のご案内 「社会保障審議会企業年金部会の議論から -リスク分担型DBと集団運用型DC-」(再掲) ─────────────────────────────────── ◆内 容 9月11日に開催された社会保障審議会企業年金部会では、DB掛金の弾力化 ・リスク分担型DBといった、従来の日本の企業年金制度とは発想を異にする 新たな提案がされています。この提案は、オランダで普及している「集団運用 型DC」を参考にしたもので、企業と従業員の間で、企業年金制度運営に係る リスクを分担することを目指しています。 本勉強会では、企業年金部会の提案内容とオランダの集団運用型DC、それ ぞれの概要・特徴を説明したうえで、両制度の類似点と相違点、制度導入に際 しての留意点等について解説します。 また、イギリスでは公的年金制度の改正を契機として、企業年金制度の大改 革が行われています。具体的には、日本の厚生年金基金制度創設の際に参考と された「公的年金の適用除外」の廃止、集団運用型DCの導入(ハイブリッド 制度の拡充)、DCの受給方法の弾力化、DBからDCへの受給権移換などで す。これらの点についても、日本の企業年金制度を考えるうえで参考になると 思われるため、その概要を解説する予定です。 ◆日 時:11月4日(水)18:30~20:30(受付18:00~) ◆会 費:3,500円(会場にて申し受けます) ◆講 師:佐野 邦明 (株)CAC専門顧問(元 三菱UFJ信託銀行) 年金数理人 日本アクチアリー会正会員 日本年金学会会員 ◆会 場:東京都港区虎ノ門 第一オカモトヤビル 4階 http://www.okamotoya.com/company/office/pop_1.html ◆定 員:40名(先着順)残席が若干となっています ◆お申し込み方法: Eメールにて、タイトルに「11月4日勉強会参加希望」と ご入力頂き、お名前、所属、領収書の宛名が異なる場合は その名称をご記入のうえ、以下のアドレス宛てにお送り ください。 admin@globalmind.co.jp ◆幹 事:みなとグローバル研究会 虎ノ門勉強会(旧 企業実務研究会) 事務局 大高 直美 ■━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━… 3〉東京で開催する勉強会のご案内 <DCプランナー1級試験重点対策講座> 全分野のポイント整理と「退職給付会計」「投資分野」の重点対策 (再掲) ─────────────────────────────────── 〈主催〉 年金問題研究会 〈開催日時〉 11月21日(土)9:30~17:00 会場:東京都内予定 〈特 徴〉 ・全分野の押さえどころを重点を絞って解説します。 ・1級合格のカギを握る退職給付会計と投資分野は、特に重点的にわかりや すく解説します。 〈カリキュラム〉 午前:A分野(公的年金等)、B分野(確定拠出年金)、D分野(ライフプラン) のポイント法改正の動向、試験問題分析、今年度の試験重点テーマ 午後:退職給付会計の基礎と要点 C分野(アセットアロケーション、パフォーマンス測定、リスクの測定他) 〈申込要領〉 ●申込締切日 11月16日(月) ●受講料 16,000円(税込) ※同時に問題集等の書籍購入をご希望の方は、受講料にご希望の本の代金 を加えてご入金ください(受講者特別割引になります)。 DC1級合格対策問題集2015年度版(第19回解答・解説付) 2,000円 DC1級試験問題解答解説 各500円 ※DC1級試験問題解答解説は、各冊回別(第12回~第19回) ※問題集を後から申し込む場合でも、この特別割引は適用になります。 (2015年度試験日前まで有効) ※問題集等を購入しなくても受講に差し支えはありません。 ※問題集は書店で販売しているものと同じです(回別の解答解説は書店で は販売しておりません)。 ●申込方法 ※年金問題研究会のEメールアドレス(kpunenkin@parknet.co.jp)に以下 の申込内容をご記入のうえ、送信してください。申込着信後、受講申込 受付とご入金額を返信いたしますので、受講料等をご入金ください。 入金が確認でき次第、受講票等をお送りします。 1.お名前(フリガナ) 2.受講票等送付先住所 3.電話番号 4.Eメールアドレス(受講案内等のワードファイル添付可能なもの) 5.同時購入書籍がある場合は書籍名と冊数 ※年金問題研究会のホームページで案内する申込方法でお申し込みいただ いてもけっこうです ●申込・お問合せ先 年金問題研究会 〒169-0075 東京都新宿区高田馬場2-12-10 阿部ビル2階2号経営企画出版内 TEL:03-3204-5745 FAX:03-3204-5743 Eメール:kpunenkin@parknet.co.jp 詳細については 年金問題研究会ホームページ(http://web.parknet.co.jp/kpu/nenkin) をご参照ください。 ■━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━… 4〉大阪で開催する勉強会のご案内 【大阪開催】2015年度「DCプランナー1級受検対策講座」(再掲) ─────────────────────────────────── 例年ご好評をいただいているDCプランナー1級試験の受験対策講座を今年 も開講いたします。2015年度は、マクロ経済スライドの初適用、被用者年金の 一元化など新たな動きがみられます。現在、国会審議中ですが、確定拠出年金 の普及に向けた改正も見逃せません。本講座では、公的年金、企業年金等のエ キスパートとして活躍されている講師をお招きし、基礎からわかりやすく講義 していただきます。 基本、全科目受講していただく前提で講義を進めます。ご予定の都合で全科 目は受講できない方には、一科目ずつ受講することも可能です。料金は、下記 の案内をご覧ください。 ●スケジュールは下記のとおりです。 【基礎講座】 科目:公的年金 2015年11月21日(土)13:30~17:00 会場:大阪府立男女共同参画・青少年センター(ドーンセンター) (大阪府大阪市中央区大手前1丁目3-49) https://www.dawncenter.or.jp/shisetsu/map.html 科目:退職給付会計 2015年11月28日(土)10:00~13:00 会場:大阪府立男女共同参画・青少年センター(ドーンセンター) (大阪府大阪市中央区大手前1丁目3-49) https://www.dawncenter.or.jp/shisetsu/map.html 科目:企業年金及び確定拠出年金 2015年11月28日(土)14:00~17:00 会場:大阪府立男女共同参画・青少年センター(ドーンセンター) (大阪府大阪市中央区大手前1丁目3-49) https://www.dawncenter.or.jp/shisetsu/map.html 科目:C分野及びD分野 2015年12月19日(土)10:00~13:00 会場:追手門学院大阪城スクエア (大阪府大阪市中央区大手前1-3-20) http://www.otemon-osakajo.jp/outline/index.html 【直前講座】 科目:公的年金 2016年1月11日(月・祝)10:00~13:00 会場:追手門学院大阪城スクエア (大阪府大阪市中央区大手前1-3-20) http://www.otemon-osakajo.jp/outline/index.html 科目:直前最終チェック(全分野) 2016年1月11日(月・祝)14:00~17:00 会場:追手門学院大阪城スクエア (大阪府大阪市中央区大手前1-3-20) http://www.otemon-osakajo.jp/outline/index.html ●受講料 全科目パックの受講料:20,000円(税込) 単科受講の場合、一科目の受講料:5,000円(税込) ※受講料は、当日会場にて現金で申し受けます。 ※3科目以下の受講を希望される方につきましては、 申込フォームの「領収証の宛名」欄にその旨を記入 してください。 ◆定 員:20名(先着順) ◆幹 事:みなとグローバル研究会 大阪大手門勉強会 ◆申込先:参加を希望される場合は、下記のURLからお申込みください。 http://www.benkyou-j.com/study/detail.php?sid=194 ■━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━… 5〉確定拠出年金の施行状況(平成27年9月30日現在)~厚生労働省調べ ─────────────────────────────────── 厚生労働省のHPに掲載されている「確定拠出年金の施行状況」の直近の データについて、その内容を以下にご紹介します。 アドレスは、こちらです。 http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/nenkin/nenkin/kyoshutsu/sekou.html (1)承認規約数 4,745件 (2)加入者数 約5,328千人(平成27年8月末 速報値) (3)実施事業主数 20,849社 ◆個人型年金の加入者等(平成27年8月末現在) (1)第1号加入者 66,058人 (2)第2号加入者 164,544人 (3)合 計 230,602人(資格喪失者を除く) (4)事業所登録 142,224事業所 ◆登録運営管理機関 198社 ■━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━… 6〉DCプランナー資格登録者の住所変更等手続きについて ─────────────────────────────────── DCプランナー資格登録者で、住所や勤務先、メールアドレス等を変更した 場合は、お手数ではございますが以下のいずれかのサイトから登録情報の変更 をご連絡ください。ご連絡をいただかないと、情報誌や資格更新に関する案内 文書の送付、メールマガジンの配信等ができなくなりますのでご注意ください。 〇『DCプランナー専用サイト』基本メニュー内 登録情報変更(住所変更など) のコーナー( https://dcplanner.cloud-cafe.club/ ) ※ 1級および2級DCプランナーとして資格をご登録いただいている方の 専用サイトです。 同サイトのご利用に当たっては、最初にメールアドレス等をご登録いた だく必要があります。 ※ ご連絡の際は、「資格登録情報も合わせて変更する」ボタンをクリック してください。 〇『商工会議所検定試験サイト』DCプランナー 登録情報変更連絡コーナー ( http://www.kentei.ne.jp/dcp/contact ) ※ 『DCプランナー専用サイト』に未登録の方は、こちらからご連絡くだ さい。 ◆◆━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━◆◆ 次号(第312号)は、11月15日(日)に送信予定です。 ─────────────────────────────────── 【企業年金総合プランナー(DCプランナー)メールマガジン】 編集・発行:日本商工会議所 商工会議所年金教育センター ─────────────────────────────────── このメールマガジンの内容に関するご意見・ご感想は、編集部までお寄せ ください。 E-Mail:nenkin@jcci.or.jp ─────────────────────────────────── 《禁・無断転載》 このメールマガジンの著作権は、上記の発行者に帰属します。 ───────────────────────────────────