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  》》企業年金総合プランナー(DCプランナー)メールマガジン《《

                         第313号(2015.12.1)
                           日本商工会議所
                     商工会議所年金教育センター

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          〉〉〉CONTENTS〈〈〈
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【企業年金あれこれ】
1〉「海外の企業年金から見た日本」(全3回)
   第1回「海外の企業年金の特徴と日本との違い」
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【勉強会の開催情報】
2〉大阪で開催する勉強会のご案内
  「ホンネで語り合う企業年金事情 2015冬期」(再掲)
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3〉大阪で開催する勉強会のご案内 
  2015年度「DCプランナー1級受検対策講座」(再掲)
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【各種のデータ】
4〉確定拠出年金の施行状況(平成27年10月31日現在)~厚生労働省調べ
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【日本商工会議所からのお知らせ】
5〉DCプランナー資格登録者の住所変更等手続きについて
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 このメールマガジンは、企業年金総合プランナー(DCプランナー)認定試
験に合格し、1級または2級の資格を登録された方々に対する情報提供サービ
スの一環として、原則、毎月2回(1日および15日)送信しています。
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1〉「海外の企業年金から見た日本」(全3回)
   第1回「海外の企業年金の特徴と日本との違い」 遠藤 忠彦
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 日本の企業年金は、海外の年金をモデルに導入され、独自の歴史を歩んでき
ました。制度や規制は国によって様々ですが、働く人がいて、老後資金に企業
年金が使われるのは同じです。海外制度が参考になる理由です。また、様々な
分野での国際競争、M&Aが盛んで人の移動がグローバルに起きています。
日本企業も国際化せざるをえない状況です。これらのことから、企業年金でも
グローバルなものの見方が必要になるでしょう。

 そこで、日本の企業年金を海外、主に欧米の国と比較してみたいと思います。
年金への考え方の違いとその要因、欧米の多国籍企業と日本企業の年金への取
り組み方の違い、海外年金制度の動向と日本への示唆を考えたいと思います。

第1回は、海外の企業年金の特徴と日本との比較をしてみます。

1.年金の見方の違い
 欧米では、公的年金はもちろん、企業年金の支払いは終身年金で、物価スラ
イドが付くこともあります。DB制度の場合、一時金受け取りはあくまでオプ
ションです。それに対し日本では、期間が決まった確定年金が一般的です。欧
米から見れば年金ではなく、分割払いです。もちろん日本では、企業年金は退
職一時金の積立の役割もあります。

2.リタイヤの考え方の違い
 欧米の人は、ハッピーリタイアメントと言われるように、退職を心待ちにし
ています。公的年金と私的年金(企業年金、個人年金)で、生活水準はあまり
変わらず自由な生活を送ります。日本では、定年を迎えても、継続雇用で給与
は6~7割になる事が多く、雇用延長が終了して、公的年金支給となりますが、
その給付水準は、最低限必要な生活ができる水準を下回ります。そのために、
企業年金が大きな役割を果たします。

3.公的年金との調整
 欧米では、公的年金と企業年金を一体で考えています。公的年金と合わせて、
退職時給与ないしは平均給与の70%程度を給付することが目標となっており、
社会的にもコンセンサス(合意)が得られています。具体的には、公的年金の
給付算定の報酬上限まで、給付率を低く抑えることなどが行われています。


4.既得権の保証
 欧米では、過去の勤続により獲得した受給権は保証しなければなりません。
DB制度に関して言えば、日本では、経営状況の悪化等の理由と従業員の同意
があれば、給付減額が可能です。退職事由(自己都合・会社都合)によっても、
給付水準を変更できます。元々退職一時金の積立が主要な目的だったからです。
つまり、柔軟な制度設計が可能なわけです。

5.DC移行と労働組合
 欧米では、DB制度からDC制度への移行が進んでいると言われています。
ただ、英、米、欧州大陸国では、移行のスピード、移行方法に違いがあります。
英米は、移行が早く進みましたが、欧州大陸国はゆっくりです。英米でも、移
行の様子が異なります。英国では新入社員からDCに移行させる場合が多く、
米国では、DB制度を凍結して既存社員も含めて移行することが比較的多くな
っています。これらの要因は、労働組合の有無が関係していると考えられます。
欧州大陸国は、経営に参画するなど、労働組合が強いと言われています。英国
では、労働組合がありますが、既存社員の権利を守ることが中心で、新入社員
の待遇にはあまり関心がないようです。米国では、ブルーカラー(現場労働者)
の組合は強いですが、ホワイトカラーは労働組合に入っていないことが多いよ
うです。これらが、DC制度への移行のしやすさの違いにつながっているよう
です。

 日本では、中堅以上の企業には労働組合があり、新入社員も同じ組合員と扱
われますし、制度変更に当たっては、入社から定年までのモデルを作成して協
議するなど、労使の話し合いが行われます。英米と比べてDC制度への移行ス
ピードが異なっている1つの要因かもしれません。

6.日本への示唆
 これまで、日本と欧米の年金に対する考え方の違いやその要因について見て
きました。海外事例を参考にする場合にはこのような違いを意識すると、日本
への導入を考えるときに役立つでしょう。

 次回は、欧米の多国籍企業と日本企業での年金への取り組み方の違いなどに
ついて触れます。


 *執筆者紹介
  遠藤 忠彦
  遠藤年金労務コンサルティング・代表
  社会保険労務士 1級DCプランナー(企業年金総合プランナー)
  国内生保、外資系コンサルティング、信託銀行の企業年金部門を経て、
  社労士事務所を開業。


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2〉大阪で開催する勉強会のご案内
  「ホンネで語り合う企業年金事情 2015冬期」(再掲)
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下記のとおり大阪で勉強会を開催いたします。

 厚生年金基金、確定給付企業年金、確定拠出年金等、各企業年金の動向や現
場の動き、実際の改革事例、退職給付会計の動向、基金やDBの資産運用動向、
DC投資教育の動向、諸外国の年金動向など幅広い内容をもとに、年金基金の
担当の方、企業の人事・労務担当の方、財務部門の方、事業主の方、運用機関
の方、コンサルタント等、それぞれの立場から自由に意見を語り合える場にも
してまいります。企業年金にご関心のある方のご参加をお待ちしております。


 ◆日 時:平成27年12月19日(土)14:30~16:30 (受付開始14:00)

 ◆会 費:3,500円(お支払方法は、お申込み完了後にお知らせいたします)

 ◆講  師:登録講師
       1級DCプランナー(企業年金総合プランナー)

 ◆会 場:追手門学院大阪城スクエア
      大阪市中央区大手前1-3-20
     (追手門学院大手前中・高等学校本館6階)
      <会場へのアクセス>
       http://www.otemon-osakajo.jp/outline/index.html

 ◆定 員:20名(先着順)

 ◆幹 事:みなとグローバル研究会 大阪大手門勉強会

 ◆申込先:参加を希望される場合は、下記のURLからお申込みください。
      http://www.benkyou-j.com/study/detail.php?sid=196


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3〉大阪で開催する勉強会のご案内
  2015年度「DCプランナー1級受検対策講座」(再掲)
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 例年ご好評をいただいているDCプランナー1級試験の受験対策講座を今年
も開講しています。2015年度は、マクロ経済スライドの初適用、被用者年金の
一元化など新たな動きがみられます。9月に衆院通過した確定拠出年金の普及
に向けた改正法案も見逃せません。本講座では、公的年金、企業年金等のエキ
スパートとして活躍されている講師をお招きし、基礎からわかりやすく講義し
ていただきます。
 基本、全科目受講していただく前提で講義を進めますが、ご予定の都合で全
科目受講できない場合、一科目ずつ受講することも可能です。料金は、下記の
案内をご覧ください。


 ◆スケジュールは下記のとおりです。

【基礎講座】 
 
  科目:C分野及びD分野
   2015年12月19日(土)10:00~13:00
   会場:追手門学院大阪城スクエア
      (大阪府大阪市中央区大手前1-3-20)
      http://www.otemon-osakajo.jp/outline/index.html

     ※公的年金、退職給付会計、企業年金及び確定拠出年金に関する講義は
    日程を終了しました。


【直前講座】

  科目:公的年金(主に問題演習)
    2016年1月11日(月・祝)10:00~13:00
    会場:追手門学院大阪城スクエア
      (大阪府大阪市中央区大手前1-3-20)
       http://www.otemon-osakajo.jp/outline/index.html

  科目:直前最終チェック(全分野。質問も受け付けます)
   2016年1月11日(月・祝)14:00~17:00
   会場:追手門学院大阪城スクエア
      (大阪府大阪市中央区大手前1-3-20)
       http://www.otemon-osakajo.jp/outline/index.html
 
 ◆受講料: 一科目:5,000円(税込)
            ※受講料は、当日会場にて現金で申し受けます。
          
 ◆定 員:20名(先着順)

 ◆幹 事:みなとグローバル研究会 大阪大手門勉強会

 ◆申込先:参加を希望される場合は、下記のURLからお申込みください。
     http://www.benkyou-j.com/study/detail.php?sid=194


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4〉確定拠出年金の施行状況(平成27年10月31日現在)~厚生労働省調べ
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 厚生労働省のHPに掲載されている「確定拠出年金の施行状況」の直近の
データについて、その内容を以下にご紹介します。
 アドレスは、こちらです。
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/nenkin/nenkin/kyoshutsu/sekou.html


(1)承認規約数     4,777件
(2)加入者数     約5,323千人(平成27年9月末 速報値)
(3)実施事業主数   21,011社
 
◆個人型年金の加入者等(平成27年9月末現在)
(1)第1号加入者   66,699人
(2)第2号加入者   167,645人
(3)合 計      234,344人(資格喪失者を除く)
(4)事業所登録    143,945事業所

◆登録運営管理機関    197社


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5〉DCプランナー資格登録者の住所変更等手続きについて
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 DCプランナー資格登録者で、住所や勤務先、メールアドレス等を変更した
場合は、お手数ではございますが以下のいずれかのサイトから登録情報の変更
をご連絡ください。ご連絡をいただかないと、情報誌や資格更新に関する案内
文書の送付、メールマガジンの配信等ができなくなりますのでご注意ください。

〇『DCプランナー専用サイト』基本メニュー内 登録情報変更(住所変更など)
  のコーナー( https://dcplanner.cloud-cafe.club/ )
  ※ 1級および2級DCプランナーとして資格をご登録いただいている方の
    専用サイトです。
    同サイトのご利用に当たっては、最初にメールアドレス等をご登録いた
    だく必要があります。
  ※ ご連絡の際は、「資格登録情報も合わせて変更する」ボタンをクリック
    してください。

〇『商工会議所検定試験サイト』DCプランナー 登録情報変更連絡コーナー
  ( http://www.kentei.ne.jp/dcp/contact )
   ※ 『DCプランナー専用サイト』に未登録の方は、こちらからご連絡くだ
    さい。

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 次号(第314号)は、12月15日(火)に送信予定です。
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【企業年金総合プランナー(DCプランナー)メールマガジン】
  
    編集・発行:日本商工会議所 商工会議所年金教育センター 

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 ください。
 E-Mail:nenkin@jcci.or.jp
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