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》》企業年金総合プランナー(DCプランナー)メールマガジン《《
第281号(2014.8.1)
商工会議所年金教育センター
http://www.cci-nenkin.jp
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〉〉〉CONTENTS〈〈〈
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【企業年金あれこれ】
1〉「正念場を迎える企業年金の再建」
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2〉大阪で開催する勉強会の参加者を募集しています。
2014年度 DCプランナー1級受験対策講座 ガイダンス
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【各種のデータ】
3〉確定拠出年金の施行状況(2014.6.30現在)~厚生労働省調べ
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【日本商工会議所からのお知らせ】
4〉DCプランナー資格登録者の住所変更等手続きについて
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5〉サポートホームページ http://www.cci-nenkin.jp/dcp/ のご案内
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このメールマガジンは、企業年金総合プランナー(DCプランナー)認定試
験に合格し、1級または2級の資格を登録された方々に対する情報提供サービ
スの一環として、原則、毎月2回(1日および15日)送信しています。
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1〉「正念場を迎える企業年金の再建」
1級DCプランナー(企業年金総合プランナー)福谷 悦夫
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「公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部
を改正する法律」が施行されて4ヵ月になります。厚生年金基金では、解散や
代行返上の動きが静かに進行しているかのようです。その一方で、企業年金に
関する今後の在り方が議論されています。
日本の企業年金制度は、1962年の適格年金、1965年の厚生年金基金制度の創
設以降大きく発展してきました。しかしながら、2012年3月末、適格年金は50
年の生涯を終えることとなりました。この間、2001年には確定拠出年金法が、
翌2002年には確定給付企業年金法が施行され、適格年金からの移行・受け皿制
度として新たな企業年金への移行支援策が展開されてきました。ところが、厚
生労働省の資料では、適格年金廃止に伴いこれらの制度へ移行したのは約3割
(確定給付年金へ約2割、確定拠出年金へ約1割)で、全体の約4割の制度は
消滅し、企業年金はなくなってしまいました。
厚生労働省「平成25年就業条件総合調査」によれば、1,000人以上の大企業で
は94%の企業に退職給付制度があり、そのうち77%に企業年金があります。
しかし、100人未満の企業では退職給付制度が「ある」企業72%、そのうち企
業年金の「ある」企業は26%(うち、約6割で厚生年金基金制度を採用)、
退職給付制度の「ない」企業も全体の28%にのぼります。適格年金の他制度へ
の移行が始まったばかりの2003年の調査では、大企業で退職給付制度「あり」
は97%(うち、企業年金「あり」が89%)。100人未満の企業では退職給付制度
「あり」は85%(うち、企業年金「あり」が半数弱の46%)で、退職給付制度
が「ない」会社は15%でした。
この10年間で企業年金の後退が見られますが、大企業での変化が比較的わず
かであるのに比べ、100人未満の企業では、退職給付制度がある企業が13ポイ
ント減少し、そのうち企業年金がある企業は20ポイントも減少しました。この
結果は、適年の約4割が消滅したことと無縁ではないと思われます。
厚生年金基金制度の主力である総合型では、100人未満の実施事業所が大半
です。これから10年、厚生年金基金は原則として廃止もしくは他制度への移行
を余儀なくされます。再びこのような結果を目にすることがないよう、企業年
金の再建はまさに正念場を迎えていると思います。しかしながら、その支援策
は十分とは言えず、企業年金の現場の苦悩ははかり知ることができません。
企業年金制度は、「国民の高齢期における所得の確保に係る自主的な努力を
支援し、もって公的年金の給付と相まって国民の生活の安定と福祉の向上に寄
与することを目的とする」(確定給付企業年金法、確定拠出年金法第1条)
つまり、引退世代の所得確保に大きな役割を果たすことが期待されています。
「公的年金の給付と相まって」とあるように、企業年金はその基礎となる「公
的年金」を抜きに語ることはできません。折しも年金にかかる財政検証結果が
発表され、いろいろと議論はありますが、そもそも今日の年金制度をめぐる状
況は、雇用の劣化から引退後の生活の安心・安全どころか、現役世代の雇用と
生活の安心が担保されていないことに根本的な問題があると思います。雇用と
働く人(正規、非正規という区分ではなく、全体としての)の処遇をしっかり
としたものとし、安心・安全の担保と労働者が等しく加入する公的制度の基盤
整備が望まれます。
企業年金制度への加入者は、2014年3月末時点で、厚生年金基金408万人、
確定給付企業年金788万人、確定拠出年金290万人(これらの併用率を約40%と
し、個人型の第2号加入者約12万人を加えた試算)で、合計約1,500万人弱、
厚生年金被保険者の約4割です。企業年金の役割や期待の高さから、加入者を
減少させることなく、拡大すべく制度整備が求められています。
併せて、企業年金制度を考える場合、今日の働き方の多様化や労働移動の活
発化の中で、退職金を含めた企業年金・退職給付の通算機能・ポータビリティ
機能を整備し、引退後に年金として給付を受けることのできるしっかりとした
制度を確立することが重要です。しかもこの機能は、全勤労者を対象とした引
退後の所得確保の観点から、企業年金のナショナルセンターとして確立するこ
とが必要です。
確定拠出年金制度において、個人型への自動移換者が約44万人、運用指図者
は約37万人(2014年3月末現在)にのぼっています。70歳時の自動裁定制度は
できましたが、このままでは、第二の未請求問題も懸念されます。余談ですが、
引退後の公的年金の安心・安全が担保され、公正な負担と給付を実感でき、学
校での社会保障教育がしっかりとしたものになれば、確定拠出年金の運用もき
ちんと投資へと向かうものと思われます。安心・安全が担保されていないとこ
ろで、元本確保型中心の運用からの脱皮は困難でしょう。
企業年金の現場では、悲鳴にも似た悲痛な叫び声があがっています。他方で、
企業年金のあり方に関する論議が進められています。課題はあったにせよ、厚
生年金基金制度が厚生年金の給付改善や制度発展に大きな役割を果たしたこと
を踏まえ、また、現場の悲痛な叫びもしっかり受け止めながら議論を進め、方
向性を見出していただきたいと思います。
*執筆者紹介
福谷 悦夫
1級DCプランナー(企業年金総合プランナー)
1級ファイナンシャル・プランニグ技能士
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2〉大阪で開催する勉強会の参加者を募集しています。
2014年度 DCプランナー1級受験対策講座 ガイダンス
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今年もDCプランナー試験1級対策講座が、いよいよ開講します。
2015年1月25日(日)開催のDCプランナー1級試験合格を目指している2級
DCプランナーの方等のお申し込みをお待ちしております。
今回はガイダンスということで、次のプログラムを予定しています。
第1部
・講座のスケジュール
・学習に必要な教材
・重点項目の紹介
など
第2部
・日本の年金制度について
導入講義として、日本の公的年金・企業年金制度を学びます。1級試験に
必要な基礎から最近のトピックスまで、年金制度全般に造詣の深い年金数
理人の方を講師にお招きし、制度をひととおり概観していただきます。
◆日 時:2014年9月6日(土)15:00~17:00(受付開始14:45)
◆会 費:3,500円(会場にて申し受けます)
※2部セット料金です。
どちらか1部だけの受講でも上記料金となります。
◆会 場:大阪府立男女共同参画・青少年センター(ドーンセンター)
大阪府大阪市中央区大手前1丁目3番49号
◆定 員:20名(先着順)
◆幹 事:企業実務研究会 大阪支部
◆申込先:参加を希望される場合は、下記のURLからお願いします。
http://www.benkyou-j.com/study/detail.php?sid=160
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3〉確定拠出年金の施行状況(2014.6.30現在)~厚生労働省調べ
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厚生労働省のHPに掲載されている「確定拠出年金の施行状況」についての
直近のデータについて、その内容を以下にご紹介します。
アドレスは、こちらです。
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/nenkin/nenkin/kyoshutsu/sekou.html
(1)承認規約数 4,460件
(2)加入者数 約497万人(2014.5.31 速報値)
(3)実施事業主数 18,675社
◆個人型年金の加入者等(2014.5.31現在)
(1)第1号加入者 57,982人
(2)第2号加入者 129,784人
(3)合 計 187,766人(資格喪失者を除く)
(4)事業所登録 116,848事業所
◆登録運営管理機関 198社
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【日本商工会議所からのお知らせ】
4〉DCプランナー資格登録者の住所変更等手続きについて
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DCプランナー資格登録者で、住所や勤務先、メールアドレス等を変更した
場合は、お手数ではございますが以下の連絡先まで、メールかFAXにて、
氏名および資格級、登録番号と併せてご連絡いただきますようお願いいたしま
す(書式自由)。なお、FAXにてご連絡いただく場合は、併せて受信確認の
電話をお願いいたします。
変更のご連絡がない場合、メールマガジンや会報、資格更新のご案内などに
関する連絡文書等が届かなくなりますので、必ず手続きをお願いいたします。
≪手続き・ご連絡先:検定支援センター≫
E-Mail:kentei@msa.biglobe.ne.jp
FAX:03-3402-7966
TEL:03-3402-2109
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5〉サポートホームページ http://www.cci-nenkin.jp/dcp/ のご案内
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このページから、メールマガジンのバックナンバーを閲覧できるほか、各種
のご案内、商工会議所年金教育センターの事業活動など、様々な情報をご覧い
ただけますので、アクセスしてみてください。
サポートホームページをクリックすると、「ユーザー名」と「パスワード」
の入力画面が開きますので、以下のように、全て半角英数で入力し、ログイン
してください。
「ユーザー名:dcp」
「パスワード:j401k」
なお、このページには、商工会議所年金教育センターのホームページ
(http://www.cci-nenkin.jp) からもアクセスできます。
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次号(第282号)は、8月15日(金)に送信予定です。
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【企業年金総合プランナー(DCプランナー)メールマガジン】
編集・発行:日本商工会議所 商工会議所年金教育センター
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ださい。
E-Mail:nenkin@jcci.or.jp
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