◆◇◆━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━◆◇◆ 》》企業年金総合プランナー(DCプランナー)メールマガジン《《 第314号(2015.12.15) 日本商工会議所 商工会議所年金教育センター ◆━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━◆ 〉〉〉CONTENTS〈〈〈 ─────────────────────────────────── 【勉強会レポート】 1 〉DCプランナー勉強会 レポート 「厚生労働省企業年金部会提案について」(全3回) 第2回「リスク分担型DB」の概要 ─────────────────────────────────── 2〉1級DCプランナー(企業年金総合プランナー)認定試験 答案練習(全8回) 2015年度試験対策 [第8回] C分野:時間加重収益率の計算 D分野:遺言 ─────────────────────────────────── 【勉強会の開催情報】 3〉大阪で開催する勉強会のご案内 「ホンネで語り合う企業年金事情 2015冬期」(再掲) ─────────────────────────────────── 4〉大阪で開催する勉強会のご案内 2015年度「DCプランナー1級受検対策講座」(再掲) ─────────────────────────────────── 【日本商工会議所からのお知らせ】 5〉DCプランナー資格登録者の住所変更等手続きについて ─────────────────────────────────── このメールマガジンは、企業年金総合プランナー(DCプランナー)認定試 験に合格し、1級または2級の資格を登録された方々に対する情報提供サービ スの一環として、原則、毎月2回(1日および15日)送信しています。 ◆◇───────────────────────────────◇◆ ■━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━… 1 〉DCプランナー勉強会 レポート 「厚生労働省企業年金部会提案について」(全3回) 第2回「リスク分担型DB」の概要 佐野 邦明 ─────────────────────────────────── 今回は、平成27年9月11日に開催された厚生労働省の社会保障審議会企業年 金部会で提案された「柔軟で弾力的な給付設計(リスク分担型DB)」の概要 について解説します。 なお、本稿の意見に関する部分は、筆者個人の見解であり、所属する組織・ 法人のものではありません。 ◇ 企業年金制度におけるリスク DC制度では、企業はあらかじめ定められた掛金を拠出すればそれ以降は従 業員等に対する義務を負わず、どの程度の額が給付されるかは従業員の運用成 果次第となります。すなわち、従業員は給付額変動リスクに晒されますが、企 業は掛金を拠出した後は何らリスクを負いません。 一方、DBでは従業員はあらかじめ約束された給付を受給できるため、DC とは異なり、給付額変動リスクには晒されません。しかし、企業は給付額を賄 うために必要な掛金を拠出する義務を負っているため、経済環境によっては掛 金引上げリスクを負っています。 すなわち、DCは従業員が(給付額変動)リスクを負い、DBでは企業が (掛金変動)リスクを負うという関係にあり、従業員・企業いずれか一方に リスクが偏っている状態です。 ◇「リスク分担型DB」とは 現在、従業員と企業がリスクを分担する制度としては、拠出要素と国債の発 行利回り等を基準とした利息要素の元利合計額(仮想個人勘定)を給付の基準 とするキャッシュバランス制度があります(給付額の最低保証あり)。この制 度では、従業員は「市場変動に伴う給付額変動リスク」を負い、企業は「給付 額を最低保証することによる掛金変動リスク」を負っています。 厚生労働省が提案している「リスク分担型DB」は、キャッシュバランス制 度とは異なるもので、仮想個人勘定は持たず、最低保証を行わない制度で、具 体的には以下のような仕組みです。 (ア)基準となる給付の決定方法は通常のDBと同一 (最終給与×支給係数、ポイント累積×ポイント単価など) (イ)企業は、前回解説した「弾力的掛金拠出」の仕組みを活用し、基準となる 給付に対する積立不足予想額を解消するための掛金を上乗せして拠出 (掛金の上乗せ幅は労使合意に基づいて決定) (ウ)基準となる給付に対する積立水準が想定した範囲を超えた場合、給付額を 減額(積立不足の場合)または増額(積立超過の場合)して積立水準を一 定の範囲内となるように調整する (積立水準は労使合意した上乗せ掛金を含めて判定) (エ)積立不足(または積立超過)は給付の減額(または増額)によって調整さ れるため、企業が負担する掛金はDCと同様に変動しない (ただし、一定期間ごとに労使合意に基づいて掛金の上乗せ幅を変更可能) すなわち、「リスク分担型DB」は「基準となる給付を想定するが最低保証 はなく、制度の積立状態は給付額に反映され、掛金水準は(一定期間にわたっ て)固定されるDB」という仕組みと考えられます。なお、類似の制度として はオランダの集団運用型DC(Collective DC:略してCDCともいう)がありま す。 一般のDBでは「給付水準の引下げに際しては、その度に労使合意を得ると いう給付減額の手続き」が必要ですが、リスク分担型DBでは「積立水準によ って給付額を調整する」ことが事前に労使で合意されているため、当該手続は 不要と整理されています。 なお、通常のDBからリスク分担型DBに移行する際、「基準となる給付見 込額+財政悪化時に想定される積立不足の1/2」を「掛金収入見込額(労使合 意した上乗せ掛金を含む)+年金資産」を下回っている場合は、「制度移行に 伴い給付減額が発生する」とみなして、従業員・年金受給者の合意を得る等の 所定の手続きを行うこととされています。 ◇「リスク分担型DB」におけるリスク負担構造 リスク分担型DBでは、「基準となる給付」は存在しますが、積立水準で実 際の給付額が変動するため、従業員・受給者が負担するリスクは「積立水準に 起因する給付額変動リスク」となります。 一方、企業は、通常のDBであれば基準となる給付水準に見合う掛金のみ拠 出するのに対して、リスク分担型DBでは一定の積立不足に対応する掛金の追 加拠出を求められます(厚生労働省の資料では、掛金の追加拠出分を企業のリ スクと整理。ただし、掛金は一定水準に保たれるため、掛金変動リスクには晒 されない。なお、労使合意により積立不足に対応する掛金の上乗せ幅を見直す 可能性はある)。 リスク分担型DBのリスク負担構造は、従来から存在するキャッシュバラン ス制度における「給付額変動リスクは従業員・受給者が負い、掛金額変動リス クを企業が負う」というリスク負担構造とは異なる点を認識しておく必要があ ります。 次回は「リスク分担型DB実現のための課題」について解説します。 *執筆者紹介 佐野 邦明 株式会社シーエーシー 専門顧問 年金数理人、日本アクチュアリー会正会員 ■━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━… 2〉1級DCプランナー(企業年金総合プランナー)認定試験 答案練習(全8回) 2015年度試験対策 [第8回] C分野:時間加重収益率の計算 D分野:遺言 ______________________________________________________________________ 【問題】(2015年1月出題) 次の各問《問1》~《問2》について答を1つだけ選びなさい。 《問1》 年初に100万円を投資し、1年目の年末に時価が120万円となった 時点で、投資金額を200万円追加して、最終的に2年目の年末の時価 は304万円となった。この場合の時間加重収益率として、適切なもの は次のうちどれか。 1) -1.00% 2) 1.00% 3) 6.77% 4) 7.5% 《問2》 遺言に関する次の記述のうち、不適切なものはどれか。 1) 自筆証書遺言の作成においては、代筆やワープロ等により作成したも のは無効となる。 2) 公正証書遺言は、原則として公証人が遺言者の口述を筆記することに より作成されるものであり、証人2人以上の立会いが必要となる。 3) 満15歳以上の意思能力がある者は、遺言を作成することができる。 4) 自筆証書遺言と公正証書遺言の2つの遺言がある場合、遺言の効力は、 公正証書遺言の内容が優先する。 ※ 本練習問題の解答・解説については、資格登録者のみに公開しています。 ■━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━… 3〉大阪で開催する勉強会のご案内 「ホンネで語り合う企業年金事情 2015冬期」(再掲) ─────────────────────────────────── 下記のとおり大阪で勉強会を開催いたします。 厚生年金基金、確定給付企業年金、確定拠出年金等、各企業年金の動向や現 場の動き、実際の改革事例、退職給付会計の動向、基金やDBの資産運用動向、 DC投資教育の動向、諸外国の年金動向など幅広い内容をもとに、年金基金の 担当の方、企業の人事・労務担当の方、財務部門の方、事業主の方、運用機関 の方、コンサルタント等、それぞれの立場から自由に意見を語り合える場にも してまいります。企業年金にご関心のある方のご参加をお待ちしております。 ◆日 時:平成27年12月19日(土)14:30~16:30 (受付開始14:00) ◆会 費:3,500円(お支払方法は、お申込み完了後にお知らせいたします) ◆講 師:登録講師 1級DCプランナー(企業年金総合プランナー) ◆会 場:追手門学院 大阪城スクエア 大阪市中央区大手前1-3-20 (追手門学院大手前中・高等学校本館6階) <会場へのアクセス> http://www.otemon-osakajo.jp/outline/index.html ◆定 員:20名(先着順) ◆幹 事:みなとグローバル研究会 大阪大手門勉強会 ◆申込先:参加を希望される場合は、下記のURLからお申込みください。 http://www.benkyou-j.com/study/detail.php?sid=196 ■━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━… 4〉大阪で開催する勉強会のご案内 2015年度「DCプランナー1級受検対策講座」(再掲) ─────────────────────────────────── 例年ご好評をいただいているDCプランナー1級試験の受験対策講座を今年 も開講しています。2015年度は、マクロ経済スライドの初適用、被用者年金の 一元化など新たな動きがみられます。9月に衆院通過した確定拠出年金の普及 に向けた改正法案も見逃せません。本講座では、公的年金、企業年金等のエキ スパートとして活躍されている講師をお招きし、基礎からわかりやすく講義し ていただきます。 基本、全科目受講していただく前提で講義を進めますが、ご予定の都合で全 科目受講できない場合、一科目ずつ受講することも可能です。料金は、下記の 案内をご覧ください。 ◆スケジュールは下記のとおりです。 【基礎講座】 科目:C分野及びD分野 2015年12月19日(土)10:00~13:00 会場:追手門学院 大阪城スクエア (大阪府大阪市中央区大手前1-3-20) http://www.otemon-osakajo.jp/outline/index.html ※公的年金、退職給付会計、企業年金及び確定拠出年金に関する講義は 日程を終了しました。 【直前講座】 科目:公的年金(主に問題演習) 2016年1月11日(月・祝)10:00~13:00 会場:追手門学院 大阪城スクエア (大阪府大阪市中央区大手前1-3-20) http://www.otemon-osakajo.jp/outline/index.html 科目:直前最終チェック(全分野。質問も受け付けます) 2016年1月11日(月・祝)14:00~17:00 会場:追手門学院 大阪城スクエア (大阪府大阪市中央区大手前1-3-20) http://www.otemon-osakajo.jp/outline/index.html ◆受講料: 一科目:5,000円(税込) ※受講料は、当日会場にて現金で申し受けます。 ◆定 員:20名(先着順) ◆幹 事:みなとグローバル研究会 大阪大手門勉強会 ◆申込先:参加を希望される場合は、下記のURLからお申込みください。 http://www.benkyou-j.com/study/detail.php?sid=194 ■━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━… 【日本商工会議所からのお知らせ】 5〉DCプランナー資格登録者の住所変更等手続きについて ─────────────────────────────────── DCプランナー資格登録者で、住所や勤務先、メールアドレス等を変更した 場合は、お手数ではございますが以下のいずれかのサイトから登録情報の変更 をご連絡ください。ご連絡をいただかないと、情報誌や資格更新に関する案内 文書の送付、メールマガジンの配信等ができなくなりますのでご注意ください。 〇『DCプランナー専用サイト』基本メニュー内 登録情報変更(住所変更など) のコーナー( https://dcplanner.cloud-cafe.club/ ) ※ 1級および2級DCプランナーとして資格をご登録いただいている方の 専用サイトです。 同サイトのご利用に当たっては、最初にメールアドレス等をご登録いた だく必要があります。 ※ ご連絡の際は、「資格登録情報も合わせて変更する」ボタンをクリック してください。 〇『商工会議所検定試験サイト』DCプランナー 登録情報変更連絡コーナー ( http://www.kentei.ne.jp/dcp/contact ) ※ 『DCプランナー専用サイト』に未登録の方は、こちらからご連絡くだ さい。 ◆◆━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━◆◆ 次号(第315号)は、1月4日(月)に送信予定です。 ─────────────────────────────────── 【企業年金総合プランナー(DCプランナー)メールマガジン】 編集・発行:日本商工会議所 商工会議所年金教育センター ─────────────────────────────────── このメールマガジンの内容に関するご意見・ご感想は、編集部までお寄せ ください。 E-Mail:nenkin@jcci.or.jp ─────────────────────────────────── 《禁・無断転載》 このメールマガジンの著作権は、上記の発行者に帰属します。 ───────────────────────────────────