◆◇◆━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━◆◇◆

  》》企業年金総合プランナー(DCプランナー)メールマガジン《《

                         第315号(2016.1.4)
                          日本商工会議所
                    商工会議所年金教育センター

◆━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━◆

          〉〉〉CONTENTS〈〈〈
───────────────────────────────────
【企業年金あれこれ】
1〉「海外の企業年金から見た日本」(全3回)
   第2回「欧米と日本の年金への取り組み方の違い」
───────────────────────────────────
【勉強会の開催情報】
2〉東京で開催する勉強会のご案内
   「マイナンバーの企業年金への影響
                    -マイナンバーで確定申告では何が変わる?」
───────────────────────────────────  
3〉大阪で開催する勉強会のご案内
  今さら人には聞けない!? 年金財政運営『超』入門 
───────────────────────────────────  
4〉大阪で開催する勉強会のご案内
  2015年度「DCプランナー1級受検対策講座【直前講座】」(再掲)
───────────────────────────────────
【日本商工会議所からのお知らせ】
5〉DCプランナー資格登録者の住所変更等手続きについて
───────────────────────────────────
 このメールマガジンは、企業年金総合プランナー(DCプランナー)認定試
験に合格し、1級または2級の資格を登録された方々に対する情報提供サービ
スの一環として、原則、毎月2回(1日および15日)送信しています。
◆◇───────────────────────────────◇◆


■━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…

1〉「海外の企業年金から見た日本」(全3回)
   第2回「欧米と日本の年金への取り組み方の違い」 遠藤 忠彦
───────────────────────────────────

 日本企業の国際活動が活発になってきました。大企業では、海外で働く人員
の増加が顕著です。M&Aも盛んになっています。企業年金でもグローバル化
への取り組みが必要でしょう。

 第2回は、欧米の多国籍企業と日本企業の年金への取り組み方の違いをみま
す。

1.多国籍企業での社員の分類
 欧米の大企業は、国をまたいで国際的な活動をしており、親会社(本社)、
地域本社、国別会社に分かれ、社員も(1)現地採用社員、(2)親会社・地域本社
の社員、(3)長期に海外勤務する社員の3つに分かれます。(3)の社員について
は、本社の年金制度に加入し続けるか、勤続通算を行い、現地の制度に資金と
ともに移るかの方法があります。資金の不足分を本社が補填することもありま
す。企業にとって社員の分類および国ごとに異なる年金、医療などの福利厚生
をどのように提供するかが課題です。

 そのため、主要国の制度動向の把握が重要で、共通の悩みを持つ担当者が集
まる福利厚生の国際会議に参加したり、国際的なコンサルティング会社を採用
したりしています。各国で行われている、従業員の死亡に関する保険をまとめ
て再保険するリスクプーリングは広く実施されており、規模の利益を享受して
います。

2.多国籍企業の年金ガバナンス
 欧米の大企業はコストの効率化のため、グローバルな年金制度の統一を目指
しています。例えば、各国の企業年金はDC制度を原則とするなどです。グロ
ーバルな福利厚生コストの管理が重要で、そのため制度の資産をまとめて運用
するアセットプーリング、制度の報告書の集約、ALMが行われています。

 以前、世界130の国・地域でビジネスを行っている米国の多国籍企業の本部を
訪問したときに、各国で行われている制度の一覧を示され、財務上の負担を軽
減するため、極力DC制度に移行すること、1国の中でも複数の法人があり、
制度が分かれているので、まとめることを行っていました。各国で運用してい
る年金資産のポートフォリオを集計して、全体としてどのような資産で運用し
ているか、会社がどのようなリスクを負っているかも把握しています。ガバナ
ンスについては、隔月開催の制度委員会が、制度内容、予算のチェックを、
四半期ごとの運用委員会が、運用ポートフォリオのチェックを行っていました。

3.年金の統合、ポータビリティ
 欧州では、通貨は、すでに統一通貨ユーロが使われていますが、年金でも各
国の年金資産をまとめて運用して、手数料などを少なくし効率運営をしていま
す。運用だけでなく複数国(例えば、ベルギーやオランダ)の分をまとめて制
度管理する企業もあります。EUでは、各国の企業年金制度の開示内容を揃え
ることなどの法律改正を各国に求める予定です。

 さらに、EU内のポータビリティ指令が発効しており、加盟国は、少なくと
も受給資格は3年、21歳までに受給権を与える必要があり、法律や規制の改正
が求められています。英国では、退職後、米国、カナダ、オーストラリアなど
の外国に移住する人が多いので、企業年金の資産をペナルティなしに、EUを
はじめ各国の登録された年金制度に移換できるようにしています。このように、
国を越えた制度の統合や資金移動が徐々に起こっています。

4.日本企業への示唆
 一部の日本の大企業では、保険のリスクプーリングを行っていますが、欧米
に比べると限定的です。各国の税制や規制が変わることにより、本国の制度内
容の報告や追加コストを求められたりします。現地法人では手に負えず、本社
が対応することもあるでしょう。海外年金の動きを捉える必要があります。

 日本は、海外に人を派遣すると、3~5年すると本国に戻し、派遣者も現地
に根づくというより本社を見て仕事をしているように見えます。人事・福利厚
生は各国に任せていて、規模の利益や本社と各国のオフィスとの円滑なコミュ
ニケーションがとられていないように思います。今後は、より長期の派遣やグ
ローバルな視点での人事・福利厚生施策が必要になるでしょう。

 次回は、海外年金制度の動向と日本への示唆を考えたいと思います。


 *執筆者紹介
   遠藤 忠彦
   遠藤年金労務コンサルティング・代表
   社会保険労務士 1級DCプランナー(企業年金総合プランナー)
   国内生保、外資系コンサルティング、信託銀行の企業年金部門を経て
   社労士事務所を開業


■━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…

2〉東京で開催する勉強会のご案内
   「マイナンバーの企業年金への影響
                      -マイナンバーで確定申告では何が変わる?」
───────────────────────────────────

◆内 容
  平成28年から「公平・公正な社会の実現」のために税分野へのマイナンバー
制度の適用が開始されます。企業年金へは、当面は税分野の源泉徴収票の作成
においてのみマイナンバーが利用されます。今回は企業年金へのマイナンバー
制度への影響について解説します。
 
 また、2月は確定申告の時期です。企業年金受給者の確定申告は、源泉徴収
等で取られ過ぎた税金を取り戻すための手続きです。今回は、企業年金受給者
の確定申告のポイントと税金の改正事項およびマイナンバー制度が導入された
ら確定申告がどう変わるかについても解説します。


◆日 時:2月4日(木)18:30~20:30(受付18:00~)

◆会 費:3,500円(会場にて申し受けます)

◆講 師:松村 正明
     特定社会保険労務士、
     1級DCプランナー(企業年金総合プランナー)
     1級FP技能士、CFP

◆会 場:東京都港区虎ノ門 第一オカモトヤビル 4階 
     http://www.okamotoya.com/company/office/pop_1.html

◆定 員:40名(先着順)

◆お申し込み方法:

     Eメールにて、タイトルに「2月4日勉強会参加希望」と
     ご入力頂き、お名前、所属、領収書の宛名が異なる場合は
     その名称をご記入のうえ、以下のアドレス宛てにお送り
     ください。
     admin@globalmind.co.jp

◆幹 事:みなとグローバル研究会 虎ノ門勉強会(旧 企業実務研究会)  
     事務局 大高 直美


■━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…

3〉大阪で開催する勉強会のご案内
  今さら人には聞けない!? 年金財政運営『超』入門           
───────────────────────────────────
 
◆内 容
「なぜ現在価値にいちいち置き換えるのか?」
「財政方式って結局何が一番良いの?」
「継続基準と非継続基準の違いは?」
「今期発生するのに『過去勤務債務』とはこれいかに?」

 とかく難解でとっつきにくいと言われる年金財政・年金数理ですが、基本原
則さえ踏まえておけば、決して理解できないものではありません。
 今回の勉強会では、DCプランナーならば最低限押さえておきたい年金財政
・年金数理のイロハを、初級者の視点に立って解説いたします。企業年金の実
務担当者の知識整理としても有用です。

 一昨年、東京で開催した折には大変好評を博したセミナーです。ご参加を
お待ちしております。

主な構成(予定)
・年金財政は何故ややこしい?
・収支相等の原則と財政方式(いつ・どのように準備するか)
・財政検証のしくみ(継続基準と非継続基準の違い)
・DCにも欠かせない「現価」の知識(どう貯めるか・どう取り崩すか)など

◆日 時:2月5日(金)18:30~20:30(受付18:00~)

◆会 費:3,500円(お支払方法は、お申込み完了後にお知らせいたします)

◆講 師:谷内 陽一(たにうち よういち)氏
     りそな銀行 年金信託部 りそな年金研究所 担当マネージャー
     1級DCプランナー(企業年金総合プランナー)
     証券アナリスト(CMA(R))
     MBA(経営管理修士(専門職))

◆会 場:追手門学院 大阪城スクエア 6階 大手前ホールB
     (大阪市中央区大手前1-3-20)
     http://www.otemon-osakajo.jp/outline/index.html

◆定 員:20名(先着順)

◆幹 事:みなとグローバル研究会 大阪大手門勉強会 

◆申込先:参加を希望される場合は、下記のURLからお願いします。
     http://www.benkyou-j.com/study/detail.php?sid=197


■━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…

4〉大阪で開催する勉強会のご案内
  2015年度「DCプランナー1級受検対策講座【直前講座】」(再掲)
───────────────────────────────────
 
 例年ご好評をいただいているDCプランナー1級試験の受験対策講座を今年
も開講しています。2015年度は、マクロ経済スライドの初適用、被用者年金の
一元化など新たな動きがみられます。9月に衆院通過した確定拠出年金の普及
に向けた改正法案も見逃せません。本講座では、公的年金、企業年金等のエキ
スパートとして活躍されている講師をお招きし、基礎からわかりやすく講義し
ていただきます。
 いよいよ直前となってまいりました。合格に向けてラストスパートをかける
方にお薦めの講座です。

【直前講座】

 〇科目:公的年金(主に問題演習)
      1月11日(月・祝)10:00~13:00
        会場:追手門学院 大阪城スクエア 大手前ホールB
          (大阪府大阪市中央区大手前1-3-20)
            http://www.otemon-osakajo.jp/outline/index.html

 〇科目:直前最終チェック(全分野。質問も受け付けます)
     1月11日(月・祝)14:00~17:00
        会場:追手門学院 大阪城スクエア 大手前ホールB
          (大阪府大阪市中央区大手前1-3-20)
            http://www.otemon-osakajo.jp/outline/index.html

 ◆受講料: 一科目:5,000円(税込)
            ※受講料は、当日会場にて現金で申し受けます。
          
 ◆定 員:20名(先着順)

 ◆幹 事:みなとグローバル研究会 大阪大手門勉強会

 ◆申込先:参加を希望される場合は、下記のURLからお申込みください。
      http://www.benkyou-j.com/study/detail.php?sid=194


■━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…

5〉DCプランナー資格登録者の住所変更等手続きについて
───────────────────────────────────
 
 DCプランナー資格登録者で、住所や勤務先、メールアドレス等を変更した
場合は、お手数ではございますが以下のいずれかのサイトから登録情報の変更
をご連絡ください。ご連絡をいただかないと、情報誌や資格更新に関する案内
文書の送付、メールマガジンの配信等ができなくなりますのでご注意ください。

〇『DCプランナー専用サイト』基本メニュー内 登録情報変更(住所変更など)
  のコーナー( https://dcplanner.cloud-cafe.club/ )
  ※ 1級および2級DCプランナーとして資格をご登録いただいている方の
    専用サイトです。
    同サイトのご利用に当たっては、最初にメールアドレス等をご登録いた
    だく必要があります。
  ※ ご連絡の際は、「資格登録情報も合わせて変更する」ボタンをクリック
    してください。

〇『商工会議所検定試験サイト』DCプランナー 登録情報変更連絡コーナー
  ( http://www.kentei.ne.jp/dcp/contact )
   ※ 『DCプランナー専用サイト』に未登録の方は、こちらからご連絡くだ
    さい。

◆◆━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━…━◆◆

 次号(第316号)は、1月15日(金)に送信予定です。
───────────────────────────────────
【企業年金総合プランナー(DCプランナー)メールマガジン】
  
    編集・発行:日本商工会議所 商工会議所年金教育センター 

───────────────────────────────────
 このメールマガジンの内容に関するご意見・ご感想は、編集部までお寄せ
 ください。
 E-Mail:nenkin@jcci.or.jp
───────────────────────────────────
《禁・無断転載》
 このメールマガジンの著作権は、上記の発行者に帰属します。
───────────────────────────────────