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  》》企業年金総合プランナー(DCプランナー)メールマガジン《《

                         第277号(2014.6.1)
                      商工会議所年金教育センター
                       http://www.cci-nenkin.jp

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          〉〉〉CONTENTS〈〈〈
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【企業年金あれこれ】
1〉長期投資と安定運用の極意とは
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2〉大阪で開催する勉強会の参加者を募集しています。
  S48 「企業年金改革の方向性」
  ─────────────────────────────────
3〉東京で開催する勉強会の参加者を募集しています。
  「法改正で厚生年金基金はどうなるか」  
 企業年金実践塾(横浜)<東京開催> (再掲)
  ─────────────────────────────────
4〉大阪で開催する勉強会の参加者を募集しています。
  「DC制度の最新情報~法改正への対応の留意点~」(再掲)
───────────────────────────────────
【各種のデータ】
5〉確定拠出年金の施行状況(2014.4.30現在)~厚生労働省調べ
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【日本商工会議所からのお知らせ】
6〉DCプランナー資格登録者の住所変更等手続きについて
  ─────────────────────────────────
7〉サポートホームページ http://www.cci-nenkin.jp/dcp/ のご案内
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 このメールマガジンは、企業年金総合プランナー(DCプランナー)認定試
験に合格し、1級または2級の資格を登録された方々に対する情報提供サービ
スの一環として、原則、毎月2回(1日および15日)送信しています。
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1〉長期投資と安定運用の極意とは   
                    国際金融アナリスト 大井幸子
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 私は1985年に米国に留学してから2007年まで、主にウォール街で過ごしまし
た。きっかけは1989年にムーディーズ本社ストラクチャードファイナンス部で
アナリストの職を得たことでした。米国では80年代半ばから証券化商品が盛ん
になり、モーゲージ債やCLO、CBOといった新たな仕組債が格付けされるのを目
の当たりにしてきました。その後、中堅投資銀行のニューヨーク本社に転職し、
日本の機関投資家向けに仕組債のリサーチや営業を担当しました。そして95年
にヘッジファンドに出会い、多くのヘッジファンド運用者を通してファミリー
・オフィスや財団、年金基金などホンモノの投資家と知り合いました。彼らと
の出会いから、金融とは人助け、投資運用とは次世代へ希望をつなぐことだと
深く学びました。

 ウォール街イコール強欲という報道がありますが、実際にはイノベーション
に資金を回すベンチャー・キャピタルや、成長性のある中小企業に資金繰りを
促すプライベート・エクイティ、革新的な運用手法を開発するヘッジファンド
など、リスクマネーを循環させ、経済成長を支える資本市場こそがウォール街
なのです。リーマンショックの反省から、行き過ぎた「アニマルスピリット」
が非難されましたが、ウォール街の本質は「フリーダム・オブ・キャピタル
(自由な資本)」にあります。そして、それを支えてきたのが目利きの投資家
たちです。

 長期の運用収益を求める投資家は、ロックフェラー財団のようなファミリー
・オフィスや大学基金、年金基金から医者や弁護士など個人事業主に至るまで
実に幅が広く、また、こうした投資家へのサービスも専門的で多岐にわたりま
す。他方、日本の金融業界では、証券や銀行といった金融商品を組成し売る側
(セルサイド)が圧倒的な情報と影響力を持ち、投資家(バイサイド)が自身
の利益のためにイニシアティブをとる事が困難です。

 投資家が運用に対して当然の権利を主張する米国で、長期に資産を保全し、
増やし続けて来た人たちのモットーは「勝たなくてもいいから負けない、負け
なければ生き残れる」です。彼らはヘッジファンドや資源開発等などリスクを
伴う私募金融の領域で、機関投資家が入ってくるずっと前から投資をしてきま
した。私募金融の建付けは、運用者(GP)と投資家(LP)と利益を共有する、いわ
ば同じ船に乗る「運命共同体」型の投資です。運用者が船長で投資家が乗組員
のようなものです。船は船長の指導のもと、短期的な大きな利益よりも、目標
リターンに向かって安全な航海を優先します。私募金融の領域で開発されたオ
ルタナティブ投資は、一般に公募の相場動向とは相関性が低く、相場が荒れる
ときでも「絶対値の収益」を確保します。こうして、船は難破したり座礁した
りする事なく航海を続け、乗組員もまた利益を得てきました。

 長期運用においては、シンガポール政府系ファンドGICが20年以上にわたり
年率平均8%の利回りで運用しています。このような運用が一世代30年続けば
国富は10倍になります。さらに三代、孫の代まで続けば千倍になります。安定
した収益は複利で大きな収益をもたらします。これがロックフェラーをはじめ
多くの資産家が1世紀以上にわたり代々資産を守り、増やし続けて来た秘訣で
す。

 投資運用事業で長く繁栄するためには、絶え間ない努力、集中力、外的環境
の変化に対するきめの細かい対応等が必要です。そして、資産保全のためには
オルタナティブ運用ポートフォリオが不可欠であり、資産と運用における分散、
全体の流動性に関わる管理が必要です。

 さらに、マーケット・サイクルを読み、プロアクティブなポートフォリオの
アロケーションが必要です。マーケット・サイクルとは、従来の景気循環(ビ
ジネス・サイクル)と異なり、バブルの生成と破綻を繰り返す金融市場のサイ
クルです。マーケット・サイクルのタイミングを誤ると、バブル破綻の売浴び
せで、せっかく作り上げた資産を失ってしまいます。資産保全は、幾度もマー
ケット・サイクルを乗り越えていくことで達成されます。

 ポートフォリオ構築においては、組入れる資産と戦略において、トラックレ
コードがしっかりした絶対値収益を創出する最良の運用者(マネジャー)を選
定します。運用収益の源泉はあくまでも運用者の質に関わっています。また、
オルタナティブ投資の中には、比較的流動性の高いヘッジファンドやコモディ
ティから流動性の低いプライベート・エクイティ、不動産、そして長期にわた
り流動性を犠牲にするベンチャーやインフラ投資があります。こうしたオルタ
ナティブを複数組み合わせたマルチ・マネジャーのポートフォリオ運用が理想
的ですが、目標リターンとリスクに整合したポートフォリオ構築に加え、流動
性においてもリスク・バジェットの点で考慮が必要です。

 長期投資と安定運用を求める投資家の皆さん、オルタナティブ投資ポートフ
ォリオの船出はいかがでしょうか。

 
*執筆者紹介
 大井 幸子(おおい さちこ)
 国際金融アナリスト
 株式会社SAIL 代表取締役社長
 文教大学国際学部非常勤講師、
 武蔵野大学政治経済研究所客員研究員

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2〉大阪で開催する勉強会の参加者を募集しています。
  S48 「企業年金改革の方向性」
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◆内 容
 平成26年4月から社会保障審議会企業年金部会において、企業年金について
本格的な討議が開始されました。現行DB、DC法制定後10年以上が経過しまし
たが、現行の「企業年金制度」は、制度提供者・加入者・受給者の規模の大小
を問わず、昨今のダイナミックに変化する経済、資本市場、雇用・労働環境な
どに対応し、その目的を継続的に果たしていくように制度設計するうえで、ま
だまだ改善の余地があると思われます。柔軟な制度設計の制約となる大きなハ
ードルとして、制度選択肢の乏しさ、多様性の欠如をあげることができます。

 新制度を検討するのは、選択肢の多様化を図ることによって、いかに企業年
金の継続性の維持を図れるかです。制度提供者・加入者・受給者の規模におい
て異なる各々の企業が、社風・文化など、様々な固有事情を勘案して選択する
ことができる多様な選択肢、あるいは選択肢の組み合わせが必要だと認識して
います。

 我が国の多くのDB基金が所属する企業年金連絡協議会では、企業年金の持続
性とは何かをテーマとして、一昨年「新ハイブリッド制度検討プロジェクトチ
ーム」を立ち上げ、「企業年金制度における選択肢の拡大」~五つの提言~を
平成25年1月に厚生労働省に提出しました。

 本年度は、特に厚生年金基金解散後の中小企業を意識して、さらに制度の深
掘りをするため、タスクフォースを立ち上げ、制度の実現に向けてその具体化
の方向性を模索しています。今回の勉強会では、今検討中の制度を参考にして
「企業年金の持続性」について参加者の皆様とともに勉強したいと思います。

◆日 時:2014年7月4日(金)18:15~20:15(受付18:00~)

◆会 費:3,500円(会場にて申し受けます)

◆講 師:田川 勝久氏
     企業年金連絡協議会 常任幹事
     ジェーシービー企業年金基金 副理事長
     1級DCプランナー、特定社会保険労務士
     中小企業診断士、CFP、1級FP技能士

◆会 場:大阪府大阪市中央区大手前1-3-20
     追手門学院大阪城スクエア

◆定 員:24名(先着順)

◆幹 事:企業実務研究会 大阪支部

◆申込先:参加を希望される場合は、下記のURLからお願いします。
     http://www.benkyou-j.com/study/detail.php?sid=156

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3〉東京で開催する勉強会の参加者を募集しています。
  「法改正で厚生年金基金はどうなるか」  
   企業年金実践塾(横浜)<東京開催> (再掲) 
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 5月1日付のメルマガでご案内しましたように東京で勉強会を開催します。

 定員にまだ余裕がありますので、参加を希望される方は、お早めにお申し込
みください。この勉強会の内容は、商工会議所年金教育センターのHPでも
「企業年金に関する勉強会情報」としてご案内しています。

 従来の厚生年金基金に係る方針を大転換する「公的年金制度の健全性及び信
頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律」は昨年6月に成
立し、ようやく政省令も発出されて、4月1日に施行されました。

 今回は、皆様から要望が多い東京での開催となります。厚生年金基金制度が
どのように改正され、基金に加入している企業にどのような影響を及ぼすか、
また、どのように対処すべきかを学びます。講師には、企業年金連合会で長年
にわたり基金運営コンサルタントとして、全国の厚生年金基金の相談に応じて
いた近藤 嘉正氏を迎え、わかり易く解説していただきます。

 厚生年金基金に加入している企業の方はもちろんのこと、企業年金総合プラ
ンナーも知っておきたい内容となっています。このまたとない機会に、皆様の
ご参加をおすすめいたします。

 日時:6月11日(水)18時30分から20時30分まで。
 場所:ちよだプラットホーム(千代田区神田錦町)
    お申し込みは、下記のURLからお願いします。
    http://www.jfpc.info/pension/173.html
    申込画面にある「申込No」は、「Y20」です。

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4〉大阪で開催する勉強会の参加者を募集しています。
  「DC制度の最新情報~法改正への対応の留意点~」(再掲)
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 5月15日付のメルマガでご案内しましたように大阪で勉強会を開催します。

 定員にまだ余裕がありますので、参加を希望される方は、お早めにお申し込
みください。この勉強会の内容は、商工会議所年金教育センターのHPでも
「企業年金に関する勉強会情報」としてご案内しています。

 年金確保支援法(平成23年8月施行)によるDC法の改正点として残されて
いた、(1) 資格喪失年齢の引上げ、(2) 脱退一時金の支給要件の緩和、(3) 国
民年金基金連合会移換者の自動裁定、の3点が本年1月1日に改正されました。

 特に (1)の資格喪失年齢の引上げについては、昨年4月に改正された「高年
齢者雇用安定法」への対応と密接な関係にあり、65歳までの希望者全員の継続
雇用に対応し、資格喪失年齢の引上げを検討している企業(事業主)も多いと
いわれています。

今回の勉強会では、この「資格喪失年齢の引上げ」について「改正高年齢者
雇用安定法」との関係など、検討のポイント・注意点をわかりやすくご説明い
たします。また、(2) 脱退一時金の支給要件の緩和、(3) 国民年金基金連合会
移換者の自動裁定に関連して中途脱退要件、自動移換の留意点や、2012年1月
1日に導入されたマッチング拠出の動向や事例についても解説いたします。

さらに昨今話題となっている「選択制DC」のメリット・デメリットなど制度
設計における注意点についても解説します。

 日時:6月19日(木)18時15分から20時15分まで。
 場所:追手門学院大阪城スクエア(大阪市中央区)
    お申し込みは、下記のURLからお願いします。
    http://www.benkyou-j.com/study/detail.php?sid=154

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5〉確定拠出年金の施行状況(2014.4.30現在)~厚生労働省調べ
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 厚生労働省のHPに掲載されている「確定拠出年金の施行状況について」の
直近のデータについて、その内容を以下にご紹介します。
 アドレスは、こちらです。
 http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/nenkin/nenkin/kyoshutsu/sekou.html

(1)承認規約数     4,447件
(2)加入者数      約464万人(2014.3.31 速報値)
(3)実施事業主数   18,532社

◆個人型年金の加入者等(2014.3.31現在)
(1)第1号加入者   57,133人
(2)第2号加入者   126,410人
(3)合 計      183,543人(資格喪失者を除く)
(4)事業所登録    114,245事業所

◆登録運営管理機関   199社

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【日本商工会議所からのお知らせ】
6〉DCプランナー資格登録者の住所変更等手続きについて
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 DCプランナー資格登録者で、住所や勤務先、メールアドレス等を変更した
場合は、お手数ではございますが以下の連絡先まで、メールかFAXにて、
氏名および資格級、登録番号と併せてご連絡いただきますようお願いいたしま
す(書式自由)。なお、FAXにてご連絡いただく場合は、併せて受信確認の
電話をお願いいたします。
 変更のご連絡がない場合、メールマガジンや会報、資格更新のご案内などに
関する連絡文書等が届かなくなりますので、必ず手続きをお願いいたします。

※このメールは送信専用メールアドレスから配信されています。
 住所変更等のご連絡につきましては、必ず以下の連絡先にお願いいたします。

≪手続き・ご連絡先:検定支援センター≫

E-Mail:kentei@msa.biglobe.ne.jp
FAX:03-3402-7966
TEL:03-3402-2109

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7〉サポートホームページ http://www.cci-nenkin.jp/dcp/ のご案内
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 このページから、メールマガジンのバックナンバーを閲覧できるほか、各種
のご案内、商工会議所年金教育センターの事業活動など、様々な情報をご覧い
ただけますので、アクセスしてみてください。
 サポートホームページをクリックすると、「ユーザー名」と「パスワード」
の入力画面が開きますので、以下のように、全て半角英数で入力し、ログイン
してください。
 「ユーザー名:dcp」
 「パスワード:j401k」
 なお、このページには、商工会議所年金教育センターのホームページ
 (http://www.cci-nenkin.jp) からもアクセスできます。

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 次号(第278号)は、6月15日(日)に送信予定です。
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【企業年金総合プランナー(DCプランナー)メールマガジン】
  
編集・発行:日本商工会議所 商工会議所年金教育センター 

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ださい。
  E-Mail:nenkin@jcci.or.jp
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